人生の《処方箋的》映画考

この「ままならない人生」を歩むとき、一つの映画がそっと、背中を押してくれる時もあれば、優しく寄り添ってくれるときもあります。 心を癒し、また、鼓舞してくれる映画を中心に、感想を綴っています。

「セブンティーン・アゲイン」

 

 

  作品情報  

 

原題  17 Again

監督  バー・スティアーズ

脚本  アダム・シャンクマン

    ジェニファー・ギブゴット

出演  ザック・エフロン

    マシュー・ペリー

    レスリー・マン

    トーマス・レノン

公開  2009年5月16日

時間  102分

制作  アメリ

  

   あらすじ  

 

高校バスケット・ボール部のスター選手して活躍するも、恋人の妊娠を機にすべてを投げだしたマイク・オドネル(マシュー・ペリー)は、過去の栄光の日々とはほど遠い生活を送っていた。そんなある日、ひょんなことから突然17歳の姿に戻ったマイク(ザック・エフロン)は、これでまでの人生を取り戻そうと高校生活を再び始める。

                                                                   シネマトゥデイより

    感想  

 

ストーリーの面白さも、然ることながら

ザック・エフロンの存在がひと際輝く。

 

ザック・エフロンの魅力が如何なく発揮された

ザック・エフロンを観るための作品(笑)。

 

観終わった後、ザック・エフロンしか

印象に残らない。

 

現在のマッチョな彼ではなく、

まだ細身で、いかにも高校生らしい佇まいで

役柄にしっくりと馴染んでいて、

往年のマイケル・J・フォックス

彷彿とさせる童顔が、
なんと言ってもキュート!

 

何度も観ている大好きな作品だが、

何度観ても、面白い。

 

あの、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」よろしく、

タイムスリップ…ではなく、なぜか自分が17歳まで

若返ってしまう。

 

見た目は17歳、中身は30代のおじさん。

名探偵コナンみたい…(笑)

 

高校時代、誰もが羨むグローリーデイズを送った主人公だが

気が付くと、負け組人生まっしぐら。

 

家族に当たり、愚痴りつづけ、自分の不運を嘆き、

過去ばかり見ていた、どうしようもない男。

 

過去に縛られ、過去にしがみつく日々。

 

妻のスカーレットは20年間も良く我慢したものだ、と思ってしまう。

娘とも、息子とも上手くいかないのは、当たり前だ。

 

 

しかし、息子や娘と一緒に、

もう一度、高校生活を送るうちに、

自分にとって、子供たちが、妻が、

どんなに大切な存在であったか、ということに

やっと気づいていく。

 

内気で、いじめられていた息子を守り、

体だけが目当てのクズな彼氏から娘も守り、

やっと、家族の大黒柱らしくなっていく。

 

体は30代のおじさん、中身は17歳のまま

進歩の無かった主人公は

もう一度、17歳にもどることで、

やっと、30代の心を手に入れることが出来た。

 

終盤、17歳の主人公、ザック・エフロン

手紙で妻に気持ちを伝える場面は、

何度観ても、グッときてしまう。

 

 

人は、忘れるのが得意な生き物だ。

でも、忘れる能力がないと、

生きていくのがつらくなるのも、また事実。

 

悲しい出来事は、早く忘れ去りたいし、

つらく苦しい気持ちを、

いつまでも味わっていたくはないから。

 

しかし、出来るならば、

 

愛する人に出会った頃の天にも昇る気分、

家族が増えた時の、喜び、感謝。

 

そんな幸せな気持ちは、

忘れずに生きていきたいものだ。

 

そうすればきっと、

誰の心も年相応に、成長していくのではないだろうか。