人生の《処方箋的》映画考

この「ままならない人生」を歩むとき、一つの映画がそっと、背中を押してくれる時もあれば、優しく寄り添ってくれるときもあります。 心を癒し、また、鼓舞してくれる映画を中心に、感想を綴っています。

「間宮兄弟」

             ~一緒に笑えることの幸せ~ 

 

  作品情報 

 

   監督    森田芳光
   原作    江國香織  「間宮兄弟」(小学館文庫)
   脚本    森田芳光
   出演者      佐々木蔵之介
         塚地武雅
         常盤貴子
         北川景子
   公開     2006年5月13日
   上映時間      119分
   製作国    日本

 

  あらすじ  

 

間宮兄弟は30代の仲の良い兄弟。今も一緒に住んでいる。兄・明信はビール会社の研究員、弟・徹信は小学校の校務員。兄弟は様々な日常の歓びを重ね、楽しく生きている。テレビでスコアを付けながら野球を見たり、紙飛行機を作って飛ばしたり、商店街にグリコじゃんけんで行って餃子を食べたり、布団の中で一日の反省会をしたり・・・。そんな兄弟に欠けているのは恋人。徹信は兄のために、同じ学校で働く葛原依子先生と、レンタルビデオ店員の直美を誘ってカレーパーティを企画する。ふたりの美女は間宮兄弟宅にやってくることになるのだが・・・。

                         アマゾンプライムより

 

   感想   

 

 世の中なぜ、こんなにも複雑で忙しくなってしまったのだろう?
 
 情報が溢れた街を行き交う人々の、歩みは速い。
 
 時代も代わったし、私も随分と大人になってしまったからかな。
 
 1日が飛ぶように過ぎていく。。
 
 幼かった、あの頃、
 時は本当にゆっくりと流れていた。
 
 あの頃の私は、家族を愛し、自然を愛し、
 友達を愛し、自分の周りにあるもの全てを、
 愛していた。
 
 純粋だった。シンプルだった。
 
 
 「間宮兄弟」のような生き方を羨ましいと思うのは、 
 きっと私だけではない筈だ。
 
 手入れの行き届いた、本棚に囲まれた部屋で、
 兄弟で野球観戦をしたり、DVDを観たり。

 一緒にレンタル店に行ってDVDを選んで、
 グ・リ・コ、パ・イ・ナ・ツ・プ・ルと、
 じゃんけんをしながら帰る。

 紙飛行機が好き、ボードゲームが好き、
 クロスワードが好き。

 お互いの事を思いやりながら、穏やかに暮らしている。

 時代に流されず、自分達の好きなことをして、
 楽しく暮らしている間宮兄弟

 実にシンプルだ。
 

 家族には、いろんな組み合わせ、形がある。

 どれが正しいなんてない。

 家族みんなが笑顔で幸せなこと、それが一番だ。
 

 忙しさについ不機嫌になったり、
 家族に当たったり、話をしなかったり。

 テレビやゲームに多くを費やされる家族の団欒。

 時々、愛とは程遠い家族になったりする我が家を振り返る。
 

 「兄弟っていいなー」
 「1日の終わりに話をする相手がいるって幸せだ」と
 間宮兄弟は言う。
 

 当たり前のことを幸せに思えるって、素敵なことだ。

 やらなければいけないことに追われて、
 大事なことを見失ってしまいがちな私達。

 一緒に何かが出来ることの幸せ。

 一緒に笑えることが出来る幸せ。

 そんな事を噛み締めながら、
 毎日を過ごせたら幸せだ。