人生の《処方箋的》映画考

この「ままならない人生」を歩むとき、一つの映画がそっと、背中を押してくれる時もあれば、優しく寄り添ってくれるときもあります。 心を癒し、また、鼓舞してくれる映画を中心に、感想を綴っています。

「遠い空の向こうに」

 

  作品情報 

 

   原題    October Sky

   監督    ジョー・ジョンストン
   脚本    ルイス・コリック

          ホーマー・ヒッカム・Jr
   出演者   ジェイク・ギレンホール
          クリス・クーパー
          ローラ・ダーン
          クリス・オーウェン
   公開     2000年2月26日
   上映時間  108分
   製作国   アメリ

 

  あらすじ 

 

米ソ冷戦時代のアメリカ、コールウッド。ここに生まれた男は誰もが将来炭坑夫になると約束されたこの町で、高校生ホーマーは自分の将来に不安を感じていた。そんな1957年10月4日。ホーマーは星空を美しい軌跡を描いて飛んでいくソ連人工衛星スプートニクを見る。宇宙の夢に魅せられたホーマーは悪友たちと「ロケット・ボーイズ」を結成、ロケット製作に夢中になるが、父はそんなホーマーを理解できず、二人は衝突する。

 

   感想  

 

1957年、ウェストバージニア州コールウッド。
そこでは町の大部分が炭鉱での採掘に従事していた。
 
しかし高校生のホーマーは、ソビエトが打ち上げた人類初の

人工衛星スプートニクに触発され、
宇宙を目指して新しい運命を切り開いていく。

少年の希望と決意と勝利の、驚くべき真実の物語。

 

「この町もやはり世界の一部だった。」

漆黒の夜空を光りながら横切ったスプートニクを見た瞬間、
ホーマーの人生は、半ば決められていた炭鉱夫から、

宇宙へと旅立った。

炭鉱で生きていくことが当り前の、閉ざされた街の中で、
ホーマーの心はこの瞬間、広い果てしない宇宙を見たのだ。

父が、街の人々が反対する中、
心ある女性教師と3人の仲間を得て、彼は試行錯誤を繰り返しながら、
ロケットを作り続ける。。。


採掘場の責任者である父の心は、常に地下奥深くに。

その息子の心は、高い高い空の彼方、宇宙の果てへ。


地下へと続くエレベーターに乗り暗闇の中へ降りて行く父と、
空を見つめるホーマーは対照的だが、
それにかける情熱は同じものだ。
 

そして幾多の困難と失敗を乗り越え、
自分の突き進む道への光を、自らの手で掴みとるホーマー。

 
親子の絆、友情、夢、希望、挫折、愛、
ロックの名曲に乗せて、
夢を追う事の素晴らしさを教えてくれる名作。 
 

若い人々は、絶対に見るべき素晴らしい作品だと思う。


原作は、後にNASAの技術者となったホーマー・ヒッカム・ジュニアの自伝、
「ロケット・ボーイズ」

 

自分の仕事に誇りを持って、炭鉱夫を貫く父親も、

全身全霊の情熱をもって、ロケット制作に没頭する主人公も、

どちらの生き方も、「最高にかっこいい」のだ。