人生の《処方箋的》映画考

この「ままならない人生」を歩むとき、一つの映画がそっと、背中を押してくれる時もあれば、優しく寄り添ってくれるときもあります。 心を癒し、また、鼓舞してくれる映画を中心に、感想を綴っています。

「イン・ハー・シューズ」

 
 
  作品情報 
 
     原題    In Her Shoes
     監督    カーティス・ハンソン
     脚本    スザンナ・グラント
     出演者      キャメロン・ディアス
         トニ・コレット
         シャーリー・マクレーン
         マーク・フォイアスタイン
      公開    2005年11月12日
     上映時間     131分
   製作国   アメリ
 
  あらすじ
 
キャメロン・ディアス演じるモテモテだけど無職のマギーは、優秀な弁護士だけど恋はうまくいかない姉ローズと大喧嘩して家を追い出され、祖母と共に暮らしながら本当の自分に気づく。姉ローズ役は「アバウト・ア・ボーイ」のトニ・コレット。祖母役は「愛と追憶の日々」の大ベテラン女優シャーリー・マクレーンエミネム主演「8 Mile」「L.A.コンフィデンシャル」の監督カーティス・ハンソンが同名ベストセラー小説を映画化。                                     映画.comより
  
  感想
 
職にも就かず、怠惰な生活を送るマギー。
 
家を追い出され
姉を頼ってやってきたが、
自らの失態で姉を怒らせ、
姉のアパートも追い出されてしまう。
 
行き場を失ったマギーが向かった先は、
フロリダの祖母の家だった・・・
 
 

高いヒールを颯爽と履きこなし、
誰もが振り返るような容姿を持ちながら、
難読症という病をかかえ、
人生にもがき苦しむマギー。
 
自暴自棄ともとれるような、
いい加減な生き方で周囲の人々を困らせ、
自分を助けようと手を差し伸べてくれる姉や、
祖母をも傷つけてしまう。
 

自分のことで精いっぱい、
良くいえば奔放、悪く言えば
わがままで自己中心的だったマギーだが、
 
仕方なく始めたこと、
他人のために何かをすることで
少しずつ変わっていく。
 
 
そして思いがけず、
難読症の為に今まで触れたくても
触れることが出来なかった世界、
言葉の世界に船を漕ぎだすことになる。
 
 

人は皆、何かを抱えて生きている。
 
 
この暗闇の中を
いつまで歩き続けなければいけないのか、
と思うときもある。

何度も転び何度も傷ついて、
それでも歩き続けなければならない。
 
 
疲れきって、
カラカラに渇いたマギーの喉を
潤おしてくれたのは、
美しい言葉の数々だった。
 

ままならない事のほうが多い人生だけれど、

それでも、
 
人生は美しいと思わせてくれる、
 
E・E・カミングスの詩が
素晴らしい。