人生の《処方箋的》映画考

この「ままならない人生」を歩むとき、一つの映画がそっと、背中を押してくれる時もあれば、優しく寄り添ってくれるときもあります。 心を癒し、また、鼓舞してくれる映画を中心に、感想を綴っています。

「ヘアスプレー」

  作品情報 
 
   原題    Hairspray
   監督    アダム・シャンクマン
   脚本    レスリー・ディクソン
   出演者      ニッキー・ブロンスキー
         ジョン・トラヴォルタ
         ミシェル・ファイファー
         ザック・エフロン
   公開    2007年10月20日
   上映時間     116分
   製作国   アメリ
 
  あらすじ 
 
ヘアスプレー企業が贈る、ボルチモアで最高にホットなTV番組「コーニー・コリンズ・ショー」出演を夢見る16歳のトレーシー。ダンスだってオシャレだって申し分ない彼女には、ひとつだけ問題が…。それは、彼女のBIGすぎるサイズ! でもそんなことは一向に気にせず、明るく前向きに生きるトレーシーは、TVショーのオーディションに参加。なんとレギュラーの座を射止め、番組の人気者となるが、美人でスリムなライバル母娘の罠にハマり…?!             アマゾンプライムより
                                        
   感想  
 
60年代のボルチモアを舞台に、
ダンスと歌が大好きな女子高生が、

自分の夢をつかみ、
ダンスを通じて
人種差別という社会の闇に挑んでいく。

生きていく勇気と元気をくれるミュージカル。
 

この映画、あの、
アングラの帝王と呼ばれる
「ヘアスプレー」が原作なのだそうだ。
 
シリアル・ママ
「セシル・B/ザ・シネマウォーズ」
しか観たことがない。
 
ピンクフラミンゴ」を観たいと思っていたが、
その機会がないまま時間が経ってしまった。
 
「ヘアスプレー」も観てみたい作品の一つだ。
 
異次元の眼鏡をかけて撮ったような作品が、
私は嫌いではない。
 
こういう監督もいるから、
映画は面白い。
 
だから、ジョニー・デップや、
メラニー・グリフィス、と言った俳優女優さんたちが、
こぞって出演しているのだと思う。
 
 

こちらの正統派の「ヘアスプレー」の話に戻そう。
 
まず、ジョン・トラボルタが良い。
 
大きな女性になったトラボルタが、
とにかく、かわいい。

男性が女装しているのだ、
という事を忘れてしまうほど仕草が女性っぽい。

はにかんだ笑顔や、物の食べかた、歩き方。
 
そして何と言っても、
「サタデーナイトフィーバー」「パルプフィクション」を
彷彿とさせる、ダンス!!
 
つい、ニタニタとしてしまう自分がいる。
 
 
ミシェル・ファイファーの悪女ぶりも良かった。
華奢なスタイルと美しい顔を、
見事に意地悪なキャラクターとして引き立てた。
 
おとぼけぶりも見逃せない。
トレイシーに化けた彼は一見の価値あり。
 

そして、1000人の中から選ばれた
主人公トレイシーを演じる、
ニッキー・ブロンスキーの魅力がひと際輝く。
 
溌剌として、兎に角、明るい! 

夢と希望に満ち溢れている。
 
眩しいほどに光り輝く彼女は、誰よりも美しい。
 
 

まだまだ差別の残る時代のボルチモア
 
そんな社会背景を上手に取り入れ、
彼女の成功と、
人種差別という社会の闇に一筋の、
いや大きな光を投じることで、

観ている私たちに、
素晴らしい高揚感をもたらしてくれる。
 
本当に素晴らしいエンターテイメント。
 
 
きっとあなたに、
 
「川よりも深く、山よりも高い、生きるパワー」を
 
与えてくれるだろう。