人生の《処方箋的》映画考

この「ままならない人生」を歩むとき、一つの映画がそっと、背中を押してくれる時もあれば、優しく寄り添ってくれるときもあります。 心を癒し、また、鼓舞してくれる映画を中心に、感想を綴っています。

「ボビーとディンガン」

 
  作品情報 
 
   原題    Opal Dream
   監督    ピーター・カッタネオ
   脚本    フィル・トレイル
         ベン・ライス
         ピーター・カッタネオ
   出演者      サファイア・ボイス
         クリスチャン・ベイヤース
         ヴィンス・コロシモ
         ジャクリーン・マッケンジー
   公開     2005年11月26日
   上映時間   86分
   製作国   オーストラリア・イギリス
 
 
   あらすじ  
 
英国北部を舞台に生活苦からストリッパーになる男性たちを描いたコメディ「フル・モンティ」のピーター・カッタネオ監督が、ベン・ライスの同名小説を映画化。オーストラリアの田舎町で暮らすアシュモルとケリーアンの兄妹。ケリーアンにはポビーとディンガンという空想上の友だちがいたが、彼女はある日、彼らがいなくなってしまったと言って元気をなくしていく。兄アシュモルは空想上の存在と知りながらポビーとディンガンを探すのだが。               映画.comより
 
    感想   
 
赤毛のアンが、鏡の中の自分を
親友と呼んでいた様に、
9歳のケリーアンにも、
彼女にしか見えない親友がいる。
 
女の子なら誰もが一度は、
そんな空想遊びをしたことがあるだろう。
 
それは小さな妖精だったり、
ちょっといたずら好きの小人たちだったり、
あるいは、夜になると動き出す人形たちだったり。
 
一人でする、おままごと遊びのようなものだ。
 
居ると思えば、そこに居るし、
見えると思えば、見えるのだ。
誰が何と言おうと。。

学校へ行く時も、遊ぶ時も、
いつも3人一緒だし、
食事のときも3人仲良く
お皿を並べてもらう。
 
ケリーアンは、いつも楽しそう。
 
そんな彼女を、家族や町の人々は、時に温かく、
時に戸惑いながら見守っている。
 
けれど、ある時、
ほんの些細なことがきっかけで、
ポビーとディンガンが行方不明になってしまう。
 
そして、事態は
思わぬ方向へと進んで行くことになる。。。
 
 
imagin(想像)することは、とても大切なことだと、
オノヨーコも言っていた。
 
 ~imagine all the people living life in peace~
 
「想像して、信じれば、本当になる」
  

アスリートに
イメージトレーニングがあるように、

潜在意識や想像力を
使った成功哲学があるように、

人間には、眼には見えないが
そういった不思議な力が
備わっているのかもしれない。
 
平たく言えば、
「出来ると思えば出来るし、出来ないと思えば出来ない」
と言うことだと思う。
 

人はいつも、考え、決断しているのだそうだ。
 
朝、起きてから寝るまで、ずーっと。
 
何時に起きて、
何を食べて、何処へ行くのか、

どんな学校へ入り、
どんな会社へ就職するのか。
 
毎日毎日、
小さな事柄から大きな事柄まで、
眼には見えない意識を使って決断している。
 
だから、全てを考え決断してきた結果が、
今の自分と言うことになる。
 

ケリーアンの父は
オパールの採掘を生業としている。
 
そして、自分の採掘場からは
絶対に素晴らしいオパールが出てくると信じている。
 
 
どちらも目には見えないが、
居ると信じているし、あると信じている。
 

主人公であるケリーアンの兄、
アシュモアは言う。
 
ポビーとディンガンの声を心の耳で聞いて欲しい」と。
 
 
家族が、町の人々が、
心の耳を傾けたとき、

素晴らしいラストが待っている。